民間学童とは?費用・公設との違い・選び方を専門家が徹底解説【2026年度版】

導入:30秒でわかる「民間学童」

民間学童とは、共働き家庭の小学生を対象に、放課後や長期休暇中に「安全+教育的な環境」を提供する民間運営の学童保育です。

公立学童(放課後児童クラブ)と違い、独自のSTEAM教育・長時間預かり・送迎・夕食提供などが特徴で、「小1の壁」対策として急速に需要が高まっています。

こども家庭庁 2025年5月発表の最新データ

  • 放課後児童クラブ登録児童数:1,568,588人(前年比+約12万人)
  • 待機児童:約1.8万人で高止まり

公設学童だけでは受け止めきれないニーズが増えており、民間学童が「第2の柱」として注目されています。

民間学童の特徴3選(まずここだけ押さえればOK)

🏠長時間預かり&送迎で共働きを強力サポート

20~22時までの長時間開所、学校へのお迎え、場合によっては習い事への送迎までカバーする施設もあります。
残業や出張があっても、親が時計とにらめっこをしなくてよい安心感が大きなメリットです。

🔬 STEAM・英語・ロボットなど習い事一体型プログラム

宿題サポートに加え、理科実験・アート・ロボット・英語などの「学びの習い事」が放課後の時間内に完結します。
送迎の負担が減るだけでなく、子どもが遊び感覚で本格的な学びに触れられるのが特徴です。

👨‍👩‍👧‍👦 スタッフ配置が手厚く、「自分で考える力」を育てる

少人数制+複数の大人で見守ることで、一人ひとりの特性を踏まえた関わりが可能になります。
「言われた通りにやる」のではなく、自分で考え、試し、失敗から学ぶプロセスを丁寧にサポートできるのが民間学童の強みです。

民間学童とは?定義と目的

民間学童とは、保護者が就労等で昼間家庭にいない小学生を対象に、
授業終了後や長期休暇に「適切な遊びと生活の場」を提供し、健全育成を図る民間事業です
児童福祉法第6条の3第2項)

運営主体は企業・NPO・社会福祉法人など多様で、公設学童と異なり独自のカリキュラムを自由に設計できるのが特徴です。

学童本来の目的=「子どもの生活のベースとなる安心できる場所」

本来、学童の役割は「塾」でも「習い事」でもなく、子どもの生活のベースとなる場所です。

  • 学校で勉強
  • 放課後は自宅で休息・遊び・団らん

親が不在でも、これと同じような活動ができる「第2の家」を提供するのが学童。
そのうえで、民間学童は教育的価値を付加した放課後の時間設計をしていると考えると分かりやすいでしょう。

放課後児童クラブ vs 放課後子ども教室の違い

項目放課後児童クラブ(学童)放課後子ども教室
管轄こども家庭庁文部科学省
対象保護者が就労等で不在の児童全児童(就労状況は問わない)
費用有料(公設は低額、民間は高額)基本無料(材料費など実費のみ)
目的「生活の場」(預かり+育成)「活動の場」(学習・体験・交流)
実施場所専用施設 or 学校余裕教室主に学校余裕教室
併用非常に多い(約30%が連携実施)

民間学童 vs 公設学童 徹底比較表(2025年最新)

項目民間学童公設学童(放課後児童クラブ)
費用月額3~8万円(首都圏平均5万円前後)月額0~1万円(所得に応じた減免あり)
開所時間20~22時まで対応多数18時半までに閉まる施設が約40%
送迎学校お迎えあり基本なし
食事夕食+おやつ提供多数おやつのみ
学習サポート宿題+STEAM・英語・ロボット等宿題中心
長期休暇対応フルタイム+イベント充実施設による(差が大きい)
定員・倍率少人数制が多いが、人気で待機も大規模(40人超も)

 民間学童の費用相場と「なぜ高いのか?」

首都圏2025年実態(こどもクリエ塾調べ+業界平均)

  • 入会金:1~5万円
  • 月額基本料:3.5~6万円
  • 送迎・夕食・習い事オプション:+1~3万円

なぜ高いのか?=投資対効果が高いから

  • 児童10人に対しスタッフ2~3人(公設の約2倍の人員配置)
  • 専門講師の雇用(理科博士・ネイティブ講師など)
  • 高品質な施設・教材・保険料への投資

こうしたコストの結果として、「自分で考える力」「創造性」「社会性」が放課後の時間のなかで確実に育まれていきます。

民間学童に通うメリット・デメリット(正直に全部書きます)

メリット

  • 開所時間が長く、小1の壁を完全にクリアしやすい
  • 送迎+夕食で、帰宅後はすぐに休める暮らし方ができる
  • 習い事一体型で、時間効率が劇的に向上する
  • 少人数制で、一人ひとりに目が届きやすい
  • STEAM教育で、将来の学力・キャリアに直結する土台を作れる

デメリット

  • 費用が高額(公設の5~10倍になることも)
  • 人気施設は入会待ち・倍率が高い
  • 施設によりサービスの質や方針の差が大きく、「どこを選ぶか」が重要

失敗しない民間学童の選び方 7つのチェックポイント

学童保育をご検討中の保護者様の疑問などにお答えいたします。
  1. 教育理念:単なる「預かり屋」か、教育重視か?
  2. 送迎範囲とアクセス:自宅・学校からの動線と安全性
  3. スタッフ配置と資格:児童数に対する職員数、専門性
  4. 長期休暇のプログラム:特に夏休みの1日の過ごし方
  5. 施設環境:広さ・清潔さ・防犯対策
  6. 見学時の子どもの表情:「行きたい」「ここがいい」と感じているか
  7. 保護者口コミ・継続率:1年後の継続率90%以上を一つの目安に

民間学童の歴史と今後の展望

学童保育の主な流れ

こうした流れを踏まえても、2026年度以降も登録児童数は160万人超が予測されており、
民間学童の役割はますます大きくなっていきます。

海外の学童保育から学ぶこと(5カ国事例)

アメリカ:NPOが支える放課後の居場所

NPO「ボーイズ&ガールズクラブ」が全国展開し、放課後・夏休みを通じて子どもの安全と育成を支えています。

オーストラリア:学校内併設、朝7時~夕6時

学校内にOSHC(Out of School Hours Care)が併設され、朝7時から夕方6時まで長時間の預かりとヘルシーなおやつ提供が義務づけられています。

イギリス:0~17歳まで年齢混合の場

放課後クラブでは年齢混合での活動も多く、コーヒーショップでピザ作り体験をするなど、地域とつながったプログラムが特徴です。

スウェーデン:保育と教育の完全統合

就学前から放課後まで「教育とケア」が一体となった制度が整っており、朝6時半~夕6時半まで家族の働き方を支えています。

ドイツ:2026年から8時間終日保育が権利化

小学生の終日保育(約8時間)が権利化される見込みで、学童・放課後ケアの整備が急ピッチで進んでいます。

日本も今後、単なる「預かり」から、教育+地域交流を含めた放課後づくりへとシフトしていくと考えられます。

児童期の発達段階と民間学童の役割

低学年(6~8歳):空間・時間認識の獲得期

この時期は、安心できる大人の存在と生活リズムの安定が最重要。
放課後のルーティンが安定しているかどうかが、その後の学習習慣にも直結します。

中学年(9~10歳):「9歳の壁・小4の壁」

抽象的思考が一気に伸びる一方で、つまずきやすい時期でもあります。
このタイミングでの経験が、自己肯定感や「自分はできる」という感覚に大きく影響します。

高学年(11~12歳):主体性・計画性が芽生える時期

友達関係やプライバシー意識も高まり、自分で選び、決める経験が大切になります。
民間学童では、年齢混合の少人数環境の中で、こうした発達課題を支えることができます。

年齢混合での活動・少人数制・多様な大人との関わりは、児童期の発達を最大限引き出すための重要な要素です。

こどもクリエ塾が考える「理想の放課後」

こどもクリエ塾は2011年開校、これまでに延べ2,000人以上の子どもたちを指導してきた「次世代型STEAM学童」です。

3つの特徴

  • 最長22時まで預かり+夕食提供で、共働き家庭の生活をトータルでサポート
  • 協働学習(6人1グループ+ファシリテーター)で、対話と協力の力を育てる
  • 理科実験・ロボット・アートを柱に、子どもの創造力を「爆発」させるカリキュラム

目指す3つの力

  • 自律的に活動する力
  • 言葉・情報・技術を活用する力
  • 異質な集団と交渉する力

私たちが目指すのは、「正解が一つではない世界で、自分で考え、創造し、多様な人と共生できる子」を育てることです。

よくある質問(FAQ)

Q. パート勤務でも入れますか?

A. はい。多くの自治体・施設で、保護者が昼間不在であれば利用可能です。詳細はお住まいの自治体・施設にご確認ください。

Q. 夏休みだけの短期利用はできますか?

A. 可能な施設が多いです。サマースクール専用プランを用意している民間学童もあります。

Q. 補助金は出ますか?

A. 自治体によって、低所得世帯向けの利用料補助がある場合があります(最大月5万円など)。最新情報は自治体窓口でご確認ください。

Q. 待機児童にならないか心配です。

A. 人気エリアでは早期に定員に達することもあります。こどもクリエ塾では定員管理を徹底していますので、早めのご見学・ご相談をおすすめしています。

Q. 放課後子ども教室と併用できますか?

A. はい。放課後子ども教室と学童を時間帯で使い分けているご家庭も多く、連携している学校も多数あります。

📖 もっと詳しく!学童選びのお役立ち記事

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監修者情報

遠藤 奈央子

  • 一般社団法人民間学童保育協会 設立代表理事
  • こどもクリエ塾 代表
  • 株式会社ビジョンゲート 代表取締役
  • 社会福祉士

著書

本記事は、こども家庭庁2025年最新データおよび著者15年の運営実績を基に監修しています。

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