都内には、公設学童や全児童向けの放課後事業など、各自治体が整備するさまざまな放課後の居場所があります。
子どもたちが安心して過ごせる環境は大切です。その一方で、放課後の時間に、自ら問いを立て、仲間と協力しながら試行錯誤する「STEAM教育・PBL(プロジェクト型学習)」を取り入れることで、子どもたちの可能性はさらに広がります。
こどもクリエ塾が2011年に開校し、今年で16年目。これまで国内外で2,500人以上の卒業生を送り出してきました。
その中には、のちに難関大学の医学部へ進学した子や、自ら希望して海外の名門校・留学へと羽ばたいた子など、それぞれの道でたくましく歩んでいる卒業生たちがいます。
すべての卒業生の進路を追跡しているわけではありませんし、進学先だけが子どもの成長を測るものでもありません。この記事は、開校以来、現場で見てきたことをもとにしたコラムとしてお読みください。
今回は、こどもクリエ塾がSTEAM教育とプロジェクト型学習を通して大切にしてきた3つの力と、放課後の過ごし方についてご紹介します。

1. 「正解のない問い」を面白がるレジリエンス(困難から立ち直る力)
難関受験や海外留学、そして予測困難な社会を生きていく上では、正解が決まっている問題を解く力だけでなく、思い通りにいかないときにも、柔軟に考え、挑戦し続ける力が大切です。
レジリエンスとは、困難や失敗に直面したときに、気持ちを立て直し、状況に適応していく力のことです。
失敗を「次の発見」につなげる習慣
こどもクリエ塾の理科実験、プログラミング&ロボット、アートなどのプログラムでは、実際に手を動かし、予想と結果を比較しながら学ぶことを大切にしています。
また、PBL(プロジェクト型学習)では、あらかじめ一つの正解が決まっていない課題にも取り組みます。
「なぜ失敗したんだろう?」
「予想と違う結果になったのはなぜだろう?」
「次はどうすればうまくいくかな?」
こうした小さなトライアル&エラーを、放課後の日常の中で繰り返していきます。
「11円電池」がうまくいかないとき
理科実験で取り組むテーマの一つに「11円電池」があります。10円玉と1円玉のあいだに、塩水をしみこませた紙をはさんで重ね、電気をつくる実験です。

ところが、この実験はすぐにはうまくいきません。塩水の濃さや紙のしめり具合、硬貨の重ね方など、気をつけなければならないポイントがいくつもあります。
うまくいかなかったとき、先生はすぐに答えを言いません。まず「どこがだめだったと思う?」と一緒に考えます。塩水の濃さなのか、紙のしめり具合なのか、重ね方なのか。子どもたちは自分で原因を探し、もう一度挑戦します。
失敗の理由を自分で見つけてから、成功にたどり着く。この順番が、次の挑戦への自信につながっていきます。
思い通りにいかなくても、別の方法を考えてみる。失敗したこと自体を否定せず、次の挑戦につなげていく。
こうした経験の積み重ねは、子どもたちが新しい環境や困難に直面したとき、自分なりに乗り越えていくための土台になります。
2. 自発的に「計画」を立てて周囲を巻き込むリーダーシップ
こどもクリエ塾が実践するPBL(プロジェクト型学習)では、受動的に指示を待つのではなく、自らの考えを発信し、仲間と対話しながら形にしていくプロセスを重視します。
「子どもたち会議」と協働的な学び
子どもたち会議や、読み書き発表コースでのプロジェクト型学習では、イベントの企画や放課後の過ごし方のルール決め、チームでの作品づくりなど、多様な学年の仲間と意見を交わしながらプロジェクトを進めます。
自分の意見が採用されることもあれば、ほかの子のアイデアの方がよいと気づくこともあります。
時には意見がぶつかり、思い通りに進まないこともあるでしょう。
そのような経験を通じて、自分の考えを伝えるだけでなく、相手の意見を聞き、折り合いをつけながら一つの目標に向かう力を育んでいきます。
10枚の台本ができるまで
タブレットといえば、YouTubeを見るために使うことがほとんどだった子がいました。
その子が夢中になったのが、仲間と取り組んだ演劇の企画です。「こういう話にしたい」「この役には、こう言わせたい」と意見を出し合ううちに、自分からタブレットで台本を書き始め、最後にはA4で10枚ほどの台本を書き上げました。
同じタブレットが、動画を見る道具から、自分たちの考えを形にする道具に変わった瞬間でした。

家庭での変化と自己管理力の芽生え
保護者様からは、こどもクリエ塾での経験を通じて、家庭でも自分から計画を立てたり、学習や生活に主体的に取り組んだりするようになったという声をいただいています。
オリジナルのお菓子づくりに夢中になった子は、「お菓子をつくる時間がほしい」と、それまでのんびり取り組んでいた塾の勉強を、自分から先に始めるようになりました。やりたいことのために、時間の使い方を自分で考え始めたのです。
子どもの成長のペースは一人ひとり異なります。最初からリーダーシップを発揮する子ばかりではありません。自分の意見を言うことが苦手だった子が、少しずつ発言できるようになることも、大切な成長の一つです。
「自分で決めて行動し、周囲と協力して実現する力」。
こうした経験は、その後の中学・高校・大学での主体的な学びや、進路を自分で選択していくための土台にもなっていきます。
3. 「好き」を徹底的に突き詰める集中力と自走する原動力
子どもの興味や関心は、一人ひとり違います。
理科実験が大好きな子もいれば、ロボットづくりに夢中になる子、アートで自分の世界を表現することが好きな子もいます。
こどもクリエ塾では、そうした一人ひとりの「好き」を大切にしています。
放課後の日常に、夢中になれる時間がある
放課後の時間には、宿題やおやつ、外遊び、仲間との交流など、さまざまな活動があります。
その日常の中に、理科実験、アート、ロボット、英語など、多様な学びや探究の機会が組み込まれていることが、こどもクリエ塾の特徴です。
一度の体験で終わるのではなく、日々の活動を通じて興味を広げたり、以前学んだことを別の場面で試したりすることができます。
「おばけの本を買って」
ふだんほとんど本を読まない子が、プロジェクトでお化け屋敷づくりに夢中になったことがあります。

どうしたら怖くなるのか。どんなおばけがいるのか。知りたいことが次々に出てきて、ある日、初めて親に「おばけの本を買って」と頼みました。
「本を読みなさい」と言ったわけではありません。おばけをもっと知りたくて、本が必要になったのです。
内発的動機づけが「将来の学び」へ
誰かに言われたからではなく、自分が面白いと思うから取り組む。
このような内側から湧き上がる意欲を「内発的動機づけ」といいます。
小学生時代に「好きなことにトコトン熱中した経験」は、その後、新しいことを学ぶ際の原動力の一つになると考えています。
こどもクリエ塾の卒業生の中には、難関大学の医学部に進学した子や、自ら希望して海外の名門校への進学・留学を選択した子もいます。
小学生時代に自分の興味を追いかけ、挑戦する楽しさを知ることには、大きな意味があります。
探究心を育むことが、将来の選択肢を広げるきっかけになればと願っています。
4. 放課後の約9,000時間を、未来につながる豊かな時間に
小学生が放課後や長期休暇に過ごす時間は、年間約1,600時間、小学校6年間で約9,000時間ともいわれています。
放課後のすべてを勉強や習い事で埋める必要はありません。
友達と思い切り遊ぶこと、何気ない会話を楽しむこと、ときには何もせずゆっくり過ごすことも、子どもにとって大切な経験です。

その上で、日々の放課後に「自分で考える」「仲間と協力する」「好きなことに夢中になる」という機会が加わることで、子どもたちの世界はさらに広がっていきます。
開校から16年目を迎え、2,500人以上の卒業生を送り出してきたこどもクリエ塾が大切にしているのは、目先の成果だけではありません。
小学生の今だからこそできる、さまざまな体験や挑戦を積み重ねることです。
公設学童や全児童向け事業など、地域にはさまざまな放課後の居場所があります。
その中で、こどもクリエ塾が開校以来大切にしてきたのは、安心して過ごせる生活の場であると同時に、家でも学校でもない「もうひとつの居場所」として、子どもたちが自ら考え、挑戦し、成長できる環境をつくることです。
STEAM教育やPBL(プロジェクト型学習)は、そのための大切な取り組みの一つです。
正解のない問いに向き合い、仲間と協力し、好きなことを深く探究する。
こうした日々の小さな経験が、子どもたちの将来を支える力につながっていくと考えています。
こどもクリエ塾では、一人ひとりのお子様が自らの「好き」を見つけ、仲間とともに成長できる環境をご用意しています。
日々のカリキュラムや実際の放課後の過ごし方について、ぜひ個別見学会・説明会でご覧ください。